それでもできない人は

この2か月間で「お仕事ドクター」のホームページを立ち上げ、過去に書きためた原稿やスライドなどをビジネスコラムや特集ページとしてアップしました。これまで、過去に、数多くの勉強会を主催したり、原稿や研修資料を作成してきましたので、これらのノウハウや経験を広く多くの人に共有したいと言う気持ちから始めています。最近、このコラムを読んでいる古い友人から一つのメッセージがありました。それは、私が日頃から思っていることで核心をついたものでした。



彼が言うには、「今、黒木さんが書いている内容は、その人が向上したいと言う意識があって、自分の時間を大事にして、もっと効率的に仕事をしたい、という考えを持っている人には向いているかもしれないけど、これまで、さほど苦労もせず、なんとなく生きてうまくいっている人たちや、自分の仕事に対して問題意識のない人たちにとっては、退屈で興味もないと思うよ」と言うものでした。彼が言うように、何となく問題意識もさほどなく幸せに生きてきて、自然とうまくいっている人たちや、仕事以外の何かに興味がある人にとっては退屈な内容かもしれません。


私の友人との会話の続きでは、「人はみんな心に扉があって、その扉を自分で開けて、何かを学びに出かけて行きます。出かけた先に、それこそ、『お仕事ドクター』のビジネスコラムのヒントがあれば、すぐに飛びつくでしょうけど、その扉が閉じている人は、いつまでたっても、学ぼうと言う気持ちすらわかないし、学ぶこと自体が必要だと言うこともわからないと思うよ」と言ってくれました。過去の研修や勉強会をやったときもそうでした。

目標やありたい自分の姿があって問題意識が高い人たちは、私の話をズバリ吸収して取り込んでくれます。また、転勤や退職の時には、必ず、「教えていただいたことに感謝しています」と丁寧にお礼を言ってくれます。一方、仕事に対して、問題意識が高くもなく、学ぼうと言う気持ちがないような心の扉が閉じた人たちには、こうした研修や勉強会は、時間の浪費にしかすぎません。おそらく、苦痛だと思います。


何事も学んで、日々、向上して行くことが、人として幸せだと言われていますが、そうした人たちには、仕事や私が話をする内容とは他に、何か優先順位があると思うようにしています。もちろん、問題意識をもって、人として、社会人として向上してもらいたい気持ちはありますが、そう簡単に人を変えることはできません。しかし、彼らも、いつか必ず疑問に持つこともあるでしょう。そうしたときに、きちんと話ができたり、「お仕事ドクター」のコラムのように読むものがあればそれで良いと思います。

ある講習会で学んだことです。「ティーチング」に効き目があるのは、「教えてもらいたいときに」、「教えてもらいたい人から」、「教えてもらいたい内容」を聞くときに、やっと初めてズバリと本人に入って行くそうです。部下を持つ管理者は、そうはいっていられないでしょう。日々、仕事は進んでいきますし、自ら、問題を解決しながら進めていかなければなりません。そうした社員を諦めて、その時が来るのを粘り強く待つのか、あるいは、積極的に自分から働きかけるのか、これこそ、「マネジメントスタイル」で、答えは一つではないでしょう。
みなさんは、どう思いますか。

 

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