棒グラフ、折れ線、グラフ、円グラフについては、小学校の時に私たちは勉強しました。例えば、棒グラフについては、何かと比較するときに、その絶対額も含めて比較することができます。また、折れ線グラフについては、気温や人口等の変化について推移を見ることができます。円グラフについては割合を見るものです。どの項目が全体の中でどの程度占めているかを、一目でわかるようにするためのものです。ここまで話すと皆さんご存知のことばかりなのですが、実際のビジネスの現場ではグラフが間違って作成されているケースを見かけます。
例えば、これは笑い話ではありませんが、円グラフを資料として提示された時に、なぜか「その他」の項目がもっとも割合が多いものが表示されたり、倉庫拠点別の在庫高を示すのに、推移を表す折れ線グラフを使っているのを見たことがあります。グラフを一から作る際に、しっかりとそのグラフの目的を確認することが大切です。
実際の現場で長年使われているグラフについては、こうした折れ線グラフ、棒グラフの機能とを合わせて作成したり、様々な工夫がされています。例えば、倉庫在庫の月別在庫金額の推移を作成するとします。その場合、12か月分の推移ではなく、13ヶ月分の在庫量を棒グラフで示します。そうすることで、昨年と同じ月の在庫高金額がいちばん左の棒で示された、右端の棒で今月の在庫高金額を見ることができて比較ができるのです。さらに、在庫数量も合わせてみたいとなれば、その棒グラフに被せて折線グラフで、在庫数量の推移を表示します。こうすることで、在庫高金額と数量が一目でわかるのです。
この場合、在庫高金額も、数量も比較する数なので、基本では、両方とも棒グラフが良いのですが、2つの棒グラフよりは、棒グラフと折線グラフを重ねることで、2つの数量の変化を見ることができるのです。同様に、労務費の年度別推移を棒グラフで表し、同じように、社員数の変化を折線グラフで表すこともできます。こうしたグラフのさまざまな応用がビジネスでは行われているのです。
また、パワーポイントのプレゼンテーションにグラフを挿入する場合があります。その場合の注意点として、ここでは2つを挙げておきます。
まず第一点は、数字のラベルを貼るようにします。なぜならば、スライドにしたときには、縦軸メモリが詳細には分からないので、ラベルを貼って絶対額を示しておくのです。また、その時の金額単位は、縦軸と横軸に忘れずに入れますが、グラフにする場合は、最大値と最小値を見て、わかりやすい単位に変えます。つまり、千円単位、百万円単位などです。これは、金額だけではなく、人数や数量の場合も同様で、千または百万単位とします。そうすることで、ラベルに示す文字数も短くなり、表示しやすくなるのです。
第二点に、グラフの中に自動的に表示される凡例は必要ありません。パワーポイントでグラフを表示する際には、凡例は表示せずに、矢印で一つ一つ、どれが何かを示すかラベルをつけてあげます。理由として、読み手にはラベルで示された方が見やすく親切であるということと、通常、凡例はカラーで表示されますが、スライドを印刷したときに、モノクロプリンターではカラーが表示されません。色が表示されないと、凡例を見ても、どの項目が何を示すのかがわかりませんし、全員がカラープリンターで印刷するとは限りません。こうした細やかな配慮は、読み手の負担を軽くしますし、ビジュアル的にもスライドの見栄えが良くなるのです。