プレゼンテーションを行っているときに、その説明や対話をさえぎるものや、聴衆の注意力をそらしてしまうものを「ノイズ」といいます。
例えば、隣の会議室で大きな音がしたり、誰かがドアを開けて入ってきたりします。そうすると、会場に来ている人たちは、そちらに注意がいき、あなたの話に集中することができません。こうしたノイズは、あなたのプレゼンテーションを阻害する大きな要因で、これらを防ぐための事前準備を怠らないことです。
■物理的な環境
一つには、 プレゼンテーションを行う会場の環境や準備です。会場の大きさ、快適さ、窓がどちら側にあるか、集中をそらすものはないか、途中入出者がいないかどうか、といったことです。例えば、 大きな窓があり、外の景色が見えて人通りも多かったりする場合、参加者は、どうしてもそちらに気をとられてしまいます。
そういった場合は、ブラインドを下げて窓を閉じるといった工夫が必要です。また、パソコンや機器の準備不足による最初のつまずきやドタバタも、聴衆の集中力を奪ってしまいます。
■プレゼンター自身がノイズに
2つ目に、話し手自身のことです。そもそも、プレゼンテーターとして、聴衆に対して信頼があるかどうかと言うことです。 会社組織の場合、「なぜこの人がプレゼンテーションをするの」といった疑問が出ないような人が説明をすることです。たとえば、社内で評判の良い社員や、人気のある社員であれば、プレゼンテーションをする場合、聴衆は自然とプレゼンテーターに注目します。こうした人選も大切なことです。
さらに、会場にあったふさわしい服装であることです。 奇抜な服装ですと、聴衆はそちらのほうに目がいってしまい、あなたの話を聞くことに集中できません。
■プレゼンテーションの内容
例えば、プレゼンテーションのスライドに、多くの文字がある場合、聴衆は少々うんざりして見る気がしません。
また、スライドを見せながら、資料を同時に配るのも考えものです。受け取った人は、その資料に目をやってあなたの話を聞かず、せっかくの資料自体がノイズとなってしまいます。どのタイミングで渡すか、どの内容を渡すかは事前に考えておくべきです。
話のポイントだけを説明したい場合や、時間に制限がある場合は、配布した資料の重要なページだけを参加者に見てもらうことも方法です。その部分のみを説明することで、残りの部分は「後から見ておいてください」ということにして時間も短くすることができます。 こうしたシュミレーションやリハーサルを何度か行ってから臨んでみてください。
■聴衆の雰囲気
会場の雰囲気を察知する力も必要です。例えば、参加者が30分前にどこにいたのだろうか、といったことも考慮に入れ、スタートの時に「つかみ」とします。
もし、参加者が駅から歩いてきた場合、夏の日であれば、かなり暑く、汗をかいていると思います。ですので、聴衆はすぐにはプレゼンテーションに集中できません。
「今日は暑いですね。 駅から歩いて来られた方は、大変暑かったと思いますので、室内はエアコンがかなり効いています。ただ、時間が経つと寒くなりますので、その場合は近くの係りの人に言ってください。」と言って、始まりにしばらく雑談して、聴衆が集中できるようになるのを待つことです。