プレゼンテーションをするときに、ついつい私たちが口走ってしまいそうな言葉があります。どういうセリフかと言うと、「昨日は徹夜でこの表を作成したので、見落としがあるかもしれません」とか、「私はこの分野の専門家ではありませんが」、あるいは、「私は口ベタでプレゼンが下手なんですが・・」、「ちょっとわかりにくい資料ですが・・」といったフレーズです。
プレゼンテーションを聞いている聴衆にしてみれば、そもそもそんな下手なプレゼンは聞きたくない、見たくない、となってしまいます。ですから、こういうセリフは避けるべきです。自分を謙遜して、素直な気持ちを話しているのかもしれませんが、できれば、こうしたセリフは言わない方が良いと思います。
なぜならば、こうしたセリフを言うことで、聴衆に対する「初期エトス」が下がってしまい、聞き手にがっかりさせるような言葉になるかもしれません。また、あなたにとって心理的にプレゼンテーションがうまくいかなかったことに対する言い訳や、自分の逃げ道を最初から作ることになりかねません。
よく言われますが、プレゼンテーションは、最初の「入り」で、その後が大きく決まってきます。最初に、聴衆の興味をどれだけ多く惹きつけるかによって、最後まで話を聞いてもらいます。
5分や、20分の話だと、どうしても間で聴衆の集中が途切れてしまうところも出てきます。しかし、最初に、プレゼンテーターに対しておおいに興味を持ってもらうと、集中が切れてしまうタイミングもその分遅くなってきます。ですから、最初にプレゼンテーターに対する興味が高ければ高いほど、 聴衆が集中して話を聞き続けるのです。
謙遜する事はありません。自信を持って臨むことです。そのためには、必ずリハーサルを行うことです。リハーサルというと、少々、仰々しくなるのであれば、同僚や部下たちと、「読み合わせ」を行うのです。
「読み合わせ」を行うことで、実際のプレゼンテーション時の成功のイメージが高まるのです。また、説明の言い回しや、スライドの表現についても、「読み合わせ」をしながら改善できるところが見つかるのです。