自然に出てしまう口癖や態度

人前で話をするときに、つい、いろいろな癖や態度が出てしまいます。話をしているときに、必ず最初に「え〜」とか、「あの〜」とかいってしまうような口癖や姿勢がどうしても猫背になるとかです。これは、本人が気づくことはありません。ではどうすればこの癖を解消できるのでしょうか。

■気が付かない口癖
1つの方法として、自分がプレゼンテーションをしている様子をビデオにとって、後から確認してみましょう。またその口癖は自分が意識しないとなかなか修正することができません。聴衆にとってこれらの口癖は、「ノイズ」として耳障りな言葉に聞こえるときがあります。

この口癖については、はっとさせられた経験があります。まだ30代の中国駐在時に、中国人のマネージャーたちを相手に、日本語で業務改善の考え方についてプレゼンテーションをした時のことです。

通訳が入り、日本語を中国語に翻訳しながら進行していきました。プレゼンテーションはうまくいったのですが、途中であるマネージャーから質問があって、「黒木さんがよく口にする『あの〜』という言葉はいったいどういう意味ですか?」と聞かれたのです。なぜならば、当時の中国人のマネージャーたちは日本の企業に入社したので日本に行けるチャンスがあり、日本語を一生懸命覚えていたのです。

私が発する「あの〜」と言う何度も発する言葉が、どういう意味なのか不思議に思ったのでしょう。その時に初めて、自分の口癖が「あの〜」であることに気がついたのです。他人から指摘されないと、なかなかこうした口癖を発見する事は難しいと思います。自分で録音したり、ビデオ撮ったりしてみないとなかなかわからないものなのです。


■動作・視線
次に、動作や視線についてです。とても真面目で一生懸命な人に多いのですが、スクリーンに映し出されたスライドばかりを見て、聴衆に視線を合わせず、 スライドを一生懸命に読んで説明をしてしまう人がいます。

本人にとっては、必死で説明をしているのかもしれませんが、聞いている方からすると、ずっと背中を向けているので、やはりあまりいい気持ちはしません。話を聞いてくれている参加者に視線を向けて説明した方が説得力も高まります。

よく言われているのが、Zの文字のように参加者に目を配ることです。 つまり、聴衆が座っているいちばん後ろの左端を見て、徐々に右へ視線を移し、いちばん後ろの右の端を見て、そこから視線をゆっくりと、今度は、斜めにいちばん手前の前列の左へ持ってきます。そして、前列左から前列右の方へ視線を移します。つまり「Z」の文字のように視線を動かし、これを繰り返すと良いと言われています。


■中断する時は
最後に、ちょっとしたテクニックです。プレゼンテーションの時に、スクリーンに映し出されている内容以外に、話がそれて、盛り上がることがあります。スクリーンに映し出されているスライドとは関係のない話をすることもあります。

その時は、パソコンの「W」の キーボードを押すとスクリーンがホワイトアウトして、スクリーンが白くなります。同じように、「B」を押すとブラックアウトしてスクリーンが黒くなります。スクリーンに何かが写ったままの状態で他の話をすると、聴衆の集中がそれてしまいます。ですから、ホワイトアウトやブラックアウトの機能を上手に使って、聴衆の集中を逸らさないようにプレゼンテーションをコントロールするとよいでしょう。


事前のリハーサルや「読み合わせ」を行って自分の口癖を意識して、また、視線を聴衆に向けて誠意ある態度でプレゼンテーションに臨んでください。

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