ストーリー展開のパターン

相手に何かを説得して説明をするためのプレゼンテーションであれば、そのストーリーの展開はおおよそ決まったものがあります。それらは、相手がわかりやすく感じるかどうかという点です。

書き方としては、まず相手にアクションしてほしいことから書き始めます。つまり「私はこういった理由で今からこの話をします。」、そして「だから、あなたに私はこうしてほしいのです。」ということを最初に述べることです。そして、その後に続くのは、第三者が見ても「あーなるほどね。」と思うような理由や事実を述べ、相手を説得していきます。

現状の悪さ加減については、コスト金額で、メリットについては売上増加やコストダウン効果と言う金額表現で相手に影響することを伝えます。数字や金額を入れることで、より客観的に相手を説得することができるのです。
これらを、以下の7つのステップにまとめてみました。

 

(1)タイトル
最初にタイトルを仮で良いのでつけます。理由は、最後に、仕上がった内容の全体を読み返し、その内容に沿ったインパクトあるタイトルをつけるのです。それは、ターゲットとなるアクションをしてもらいたい相手の注意や興味を引くタイトルにします。

(2)目次
これから話す内容について、あらかじめガイドするところです。ここも全体を作り終えた後に、もう一度、見返しましょう。人の脳は興味がある言葉を見聞きすると、それはいったい何なのだろうか、という「空白」を作ります。そして、その「空白」を何とか埋めようとするのです。タイトルもそうですが、目次についても、聴衆が興味ある言葉であれば、彼らの集中は途切れにくくなります。



(3)サマリーまたは目的
ここでは、なぜ、この話を今からするのか、そして、それはこういうことだからです、ということを簡単にまとめて伝えます。さらに、相手にアクションしてほしいことがあれば、ここにシンプルに述べておき、相手に、なぜ?という「空白」を作るのです。

(4)現状・問題・原因
具体的な事実を挙げて説明します。考え方としては、「こうした事実がある」、「それがあるとこういう影響がある」、「だから、みなさん、こうしませんか」という展開です。スライドの枚数や文字数は気にせず、事実の紹介は数字を入れて具体的に示すことで、最終的にあなたが提案することに対する「根拠」となるのです。



(5)対策案
複数の対策案を並べて、それぞれの良いところと悪いところの評価をします。定量的なコスト削減などの数字換算が可能であれば説得力は増します。そのためには、時間分析による投資対効果計算を行い、金額でその効果を表すことです。例えば、表現方法としては、「年間1,000時間の削減可能なので、1時間3,000円として、3百万円のコスト削減効果がある」と言った具合です。また、投資金額の対象を予算と比較するとさらに効果的にアピールすることができます。経営陣は、予算や事業計画という言葉には常々弱いものです。

(6)アクション
対策案で選択されたアクションの具体的なスケジュールや、それを実行するためにこうしてほしいと言うことを伝えます。そして、もしそうすると「あなたは利益を得られ、あなたたちの成績になります」といった具合に、相手目線で、相手の利益を刺激して未来形とします。



(7)駄目押し
懸念事項や念押しをここでします。「その他の事項」あるいは「将来のアクション」といった項目などで入れます。例えば、関連する別なシステムとの将来的な連携や、潜在している問題点も挙げておき、次回の提案へと繋げるために布石を打っておくのです。

その他にもストーリー展開はあると思いますが、重要な点は、最初の「入り」で相手の関心をひいて、「今どうなっている」ということを詳しく数字を入れて説明をしていく「現状分析」です。現状分析で「誰が見ても、見れば明らか」というレベルまで説明することで、その後の問題点が共有されやすくなります。現状分析から問題点までを、しっかりと共有さえできれば、あとは、問題に共感してくれた聴衆があなたを導いてくれるのです。

 

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