書くことによるメリット

人間の考えるスピードとそれを書くスピードとを比較すると、当然、書いている方が遅いです。手を動かして考えながら書くからです。書いているスピードは考えるスピードよりも遅いので、その分、書いている間に、1つのことに対して深く考えることができます。

そして書いた内容が、自分の目で見ることができて、もう一度確認することができます。1つのことをさっと頭の中で瞬時に考えるのではなく、書くことによって普通に考えるよりも、ゆっくりとじっくりと、そして、目で見ることによって再認識でき、確認することができるのです。潜在意識に働きかけたり、書いている途中で、何か新しい気づきを得たりするのではないかと思います。こうしたことが書くことのメリットです。

また、書くことは、ものごとを忘れることができる良い方法です。書いてしまうことで心にある感情やさまざまな記憶を葬ることができます。実際に、私が海外在住の時の苦労話を物語風に文章で書き上げたことで、その後、その話を人前ですることはなくなりました。

同様に、私は、寝る前にこれからやらなければならないことをノートにリストアップすると、心配事が消えて、すっかり安心してよく眠ることができるのです。

逆に書かないことのメリットもあります。メモにとらなかったり、レポートにまとめたりして書かないと、印象に残ったことしか記憶に残りません。つまり、それは、自分にとって最も関心あることなのです。余計なことを無理に記憶せず、素直な心で話を聞くことで、本当に今自分が必要なことだけをストレスなく聞くことができるのです。

セミナーや大切な話を聞いた時は、メモにはとりますが、あえてそれをまとめてレポートにしたり、綺麗な文章で残さないことも効果があります。殴り書きしたメモを見ながら、多くのことに想像を巡らせる自分の時間を持つということです。

そうすることで、話を聞いた内容にとどまらず、過去のさまざまなことを思い出し、話の内容がどんどん膨らんでくるのです。そして、気が熟した時に文章にしたりレポートにしたりするのです。最初に話を聞いた時よりも、洞察が深くなり、内容が濃いものを書くことができます。

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