新人に対して指導する内容の根底にあるのは、「会社組織では、1人では、何の仕事もできない」ということを説明してあげることです。組織の中の一人ひとりが、それぞれの役割を持って初めて企業活動ができるということです。
たとえば、製品を販売するのは営業です。そして、その代金回収のための請求書発行は経理の人が行います。営業マンの成績を上司が評価し、査定の結果、ボーナスの支払い手続きを人事でします。
こうしていろいろな人がひとつの仕事にかかわっていることを、実例を示しながら教えてあげることです。それはまるで、小学生に会社のことを教えるようなレベルです。
ですから、教える側のリーダーにとっては大きなストレスを伴います。しかしそれも仕事です。丁寧に教えることはそうしたフラストレーションを伴うことです。まるで、小さな子供に物語をゆっくり話して、聞かせてあげることと同じなのです。
実際、私も、なぜこういうことを、いい年をした大人に説明しなければいけないのだろうかと思いながらも、わかりやすい言葉で辛抱強く話をしてきました。
たとえその社員が、自分が指導した通りのことができなくても、ひたすらその社員ができるようになるまで話をしてあげるのです。こうしたリーダーの姿勢は必ず社員に伝わります。その社員ができるようになるまで、見守り続けてアドバイスしてあげることです。