昨年9月のことでした。久しぶりに、朝の満員電車で通勤することになりました。私は新宿で乗り換えて、山手線で品川まで行きます。新宿の山手線のホームは、もう少しで人が線路に落ちそうなくらい混雑しています。
そして、品川に到着すると恐ろしいほどの数の人たちが、全員同じ方向に向かって歩いています。もちろん私も彼らと同じように、その方向に向かって歩いて行くのです。人の多さと満員電車でのスペース確保のため、こうした通勤は慣れないとくたくたになってしまいます。
そして、お昼休みです。12時を過ぎると、吉野家に行列ができていました。私も並んでみたのですが、あたかも鶏が餌をもらっているような気持ちになりました。カウンターに横一列に並んで、急いで食べるのです。私が食べている後には、何人かが並んでいます。落ち着いてゆっくりなど食べる気にはなれません。まわりのお客さんにも、次から次に牛丼が運ばれてきて、それをみんなさっさと平らげて、そして、次の人がそこに座り、また牛丼を食べるのです。
私も急いで牛丼を食べて、お会計をしてさっさとお店を出たのです。まさに朝の通勤ラッシュのようなせわしなさでした。
しかし、よく考えれば、これは私だけの話ではありません。私のまわりのたくさんの方々が同じような気持ちだと思います。こうして考えると、みんな、ギリギリのところで汗をかきながら、必死で頑張って、そして、仕事をしているんだと思います。
朝の通勤では、そこには、おしゃれとか、美しいとか、何かを楽しむという光景は全くなく、まるで軍隊のように無表情に同じ方向に歩いているのです。そしてこれが昨日も同じで、今日も、そして明日も明後日も続くのです。
思い起こせば、 数十年前に、私は新卒で東京の浅草の会社に入社して、埼玉県の上尾駅から上野駅経由で銀座線で1時間半近くかけて浅草まで通っていました。その時、高崎線の満員電車の中で思ったことは、この生活は決して何年も続くものではなく、将来は、何か別な通勤手段が出現するはずだと、はかない希望を持ちながら通勤していました。
結局、6年ほど電車通勤したのですが、その後は、地方の会社に転職し、そこでは車通勤でした。そして、まもなく海外勤務となり、そこでも車通勤でした。日本に帰国してからも、幸いなことに満員電車での通勤はありませんでした。
品川への通勤は、契約の関係もあって、結局1か月で終わりました。新卒の時代の懐かしさと、今でも当時と何ら変わっていないことをつくづく感じさせられました。数十年前に満員電車で通勤したその時から、今まで、ずっと、通勤している方も多くいることでしょう。
満員電車に揺られ、日々、自分の時間と命を削っているのだろうと思うと、本当にみんなよく頑張っています。まさに、私たちがEメール文の冒頭でよく使う「お疲れ様です」がふさわしいフレーズだと思うのです。