とにかく手を動かす

楽天イーグルスに在籍していた田中将大投手が巨人軍に移籍し、1勝を挙げることができました。ここ数年苦しんでいた田中投手です。そうした彼の苦しんだ時期を振り返ったインタビューに、これまでの自分の経験と重ねて大変共感しました。

それは、田中投手が不振のどん底だった時にいつも思っていたことは、「とにかくできることは全部やろう、諦めないでなんでもやろう」ということでした。

私も非常に辛い時期がありました。仕事がなかなか取れなくて、いったいどうすれば良いのかと思い悩む時期もありました。しかし、とにかく、今できることを全部やろう、といつも自分に言い聞かせてきました。つまり、今できることをノートに箇条書きでとにかく全部書き出して、それを一つ一つ潰すことだけに集中しました。そうすることで、メンタル的にも何とか持ちこたえることができたのです。


NHKの「宙わたる教室」というドラマが最近放送されました。定時制高校に通う生徒たちが、さまざまなバックグラウンドを持ちながらも、科学部をつくり、そこで火星のクレーター実験を重ねていくのです。

窪田正孝さん演じる科学部の顧問の藤竹先生の口癖は、「とにかく手を動かしましょう」でした。生徒たちは、基礎学力もなければ、勉強そのものが得意ではありません。しかし、何とか火星のクレーターを作ってみたい、という情熱だけが彼らを突き動かしていました。

時に、思い悩むことや、考えすぎて、もうだめだ、と諦めそうになるのですが、その時に、藤竹先生は、「とにかく手を動かすことです」と言って生徒たちを励ますのです。

私は、常々「考えている間」は、何も進歩しないと私は思っています。「考えている間」は、もちろん脳の中でいろいろなことが整理整頓されるのでしょうけれども、実際に何かが目の前で起こることはないのです。

「ジタバタする」ことです。とにかく手当たり次第に、できることを一つ一つやっていくことです。何もしないで、ただ考えているだけだと、マイナスの方向ばかりに思いが進んでしまい、メンタル的にやられてしまいます。

田中投手のように、どん底でも「できることはある」から、「それらを全部やる」ことです。ひょっとしたら、それらは何の役にも立たないかもしれませんが、できることをとにかく全部やることです。

そして、その中から1つ、必ず何か光が見えてくるはずです。とにかく、「できることは全部やろう」の気持ちで、1日1日を頑張っていきたいと思っています。