日本人はyesとthank youしか言わない

 アメリカにいる時です。会議の時には、とにかく、まくし立てるのがアメリカ人ですから、日本人はとにかく、そのスピードについていき、話を聞いて、何とか理解するのが精一杯です。ですから、日本人が話す言葉は、”Yes, yes, yes”と、”OK, OK, OK”の繰り返しと、最後に”Thank you”です。

 ある時、アメリカ人である社長に言われたことがあります。「日本人は、ビールでも飲みながら、会議をした方が良くないか?、会議の時は、いつもYesとOKなのに、しばらく経ってから、それは違う、と言い出す。そうなら、ビールでも飲みながら、ワイワイ言って話をした方が良さそうだ・・」と。

 確かに、何人かのアメリカ人が参加する会議では、英語が飛び交い、日本人は、全然ついていけないのがほとんどです。特に、役職が高い本社の日本人は、メンツもあるので、会議中に、自分の拙い英語では切り出せないので、会議が終わって、いったい、何の話だったのかを駐在員の我々日本人に聞いてきます。

 「かくかく、しかじか」と説明すると、「え、そんなことは、まずい」と言い出します。おおよそ、こうした確認が駐在員となされるのが、夜の食事会の時が多いのです。ですから、翌日、私たち駐在員は、アメリカ人社長に、昨日はこうだったが、実はそれはまずいので、やはり駄目です」と言わなければならないのです。

 これは、日本人が文化的に物事をはっきりと言わないことも問題だと思います。しかし、欧州やアジア人も参加するような会議に何回か参加した時の経験からですが、アメリカ人にも配慮してもらいたいことがあります。

 こうした会議は英語で進行されますが、おおよその場合、アメリカ人が一番たくさん発言して、相変わらず、まくし立てます。他の参加者はネイティブの英語スピーカーではないのですが、それでも何とか食らいついていきます。ただ、アジア人はだいたいおとなしいです。

 ある先生が書かれた国際会議でのファシリテーションのコツを思い出します。会議の最初に、ネイティブであるアメリカ人やイギリス人に対して、「他の参加者がネイティブではないこと、英語での発言は、ゆっくり、分かりやすく言って配慮ください」、とお願いすることがとても大事だそうです。結局のところは、お互いに配慮し合うことが大切だと言うことです。

 仮に重要な内容をノンネイティブがいる会議で英語で伝えるのであれば、少なくとも、書いたものを見せたり、事前に渡したりして、双方に誤解のないように努力をすることです。

 また、日本人が、”Yes, yes, yes”と、”OK, OK, OK”と、最後に”Thank you”では、少々情けないので、日本人もノンネイティブとして、間違った発音や文法でも構わないので、勇気を持って堂々と発言するようにしたいものです。

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